冬のパミール高原を越えて
パミール高原のことをご存知でしょうか??
名前の通り高原ですが、タジキスタンに位置しています。
タジキスタンは「世界の屋根」と表されることがありますが、それはパミール高原一帯の標高が高く、まるで世界全体の天井かのようにそびえていることから名付けられたようです。
パミール高原は(要出典)中国、インド、アフガニスタン、タジキスタンと多くの国に跨る山脈であり、非常に厳かです。パミール高原の東部にはヒマラヤ山脈があることからも、その雄大さは想像がつくことかと思います。
パミール高原は平均標高000m(要出典)と言われており、軽い旅行で行く分には、少し骨が折れる場所です。
しかし!それでも毎年訪れる人がいることが示すように、この土地の自然が魅せるモノは多少の苦労(長距離移動による腰の破壊、交通費)を払ってでも味わいたい、唯一無二な存在なのではないかと、思います。
実際私も訪れて、脳汁が溢れ出ました。そんなパミール高原と体験談を紹介したいと思います。
パミール高原の見どころ
パミール高原の見どころは、大きく分けると、
M41道路
ワハーン回廊
この2つです。
M41は世界で2番目に高い場所を走っている幹線道路と言われており、1番高いところで4280mほどです。富士山を軽く越えてしまいます。
書いていた時は知りませんでしたが、オシュとムルガブの間には4655mの地点がありました。ビックリです。
ワハーン回廊はアフガニスタンとの国境沿いをある道で、仏教寺院の遺跡であったり、マルコ=ポーロが訪れ、書き記した場所と言われています。
私はこの旅で2つとも行こうと思ったのですが、地元民曰く、冬にワハーン回廊を渡るのは難しい、とのことです。
また標高が低くて2000mの観光地で、しかも冬ということから、観光客自体がそもそも少なく、そのため宿は冬季休業しているところが多く見受けられます。
タクシーのおじさんが大体厚意で探してくれますが、冬場は宿に苦労する、ということだけ頭に入れておくといいかと思います。
何人かの過去の旅行者のブログを見てみると、ワハーン回廊の方が素晴らしい景色だったと書かれていたので、とても残念です。
拠点となる街
パミール高原を旅する上で、拠点となるのは
ホーログ Khorog
イシュカシム Ishkashim
ムルガブ Murghab
の3つの街で、上の街に辿り着くために、パミール高原の都市ではありませんが、
ドゥシャンベ Dushanbe
オシュ Osh
も使うことになると思います。オシュだけはタジキスタンではなく、キルギスです。
ワハーン回廊については、体験ベースで書くことはできませんが、
ホーログからイシュカシムにまず移動して、イシュカシムを拠点に移動する、というのが便利らしいです。
ワハーン回廊にはヤムチュンという温泉に入れるところであったり、沢山みるところがあるので是非いってみてください。
ちなみに、ワハーン回廊はイシュカシムとランガルを結ぶ区間のことを呼ぶようです。
ホーログ-イシュカシム-ランガルは各区間4時間程度で移動できるそうなので、そこまで長旅にならずに済みそうです。
また、ランガルからM41に合流する道がありますが、ここを通る車が少ないことや、ホーログから合流地点までの絶景ポイントを見逃すことを考えると、おススメできません。
ですので、ワハーン回廊とM41を両方楽しみたいのであれば、
ホーログとイシュカシム(ランガル)の往復と
ホーログ⇄ムルガブ のどちらか片道がおススメです。
また標高が高いと、高山病が心配なところです。基本的に車で登るため身体が追いつかないまま、強制的に標高が高いところに留まらざるをえないため、高山病にかかりやすくなります。
それが心配な方は、ドゥシャンベ→ホーログのルートをお勧めします。
ドゥシャンベとオシュはいずれも標高800m台ですが、ホーログは2000m、ムルガブは3600mと、大きな開きがあります。
ホーログである程度体を慣らしてからパミール高原を渡ることをオススメします。
移動手段とお金
移動は基本的に車です。ホーログやムルガブには空港もあることから、飛行機も使えそうですが、飛行機を使ったら、もはやタジキスタンに来た意味がない!と、思います。
車を使いましょう。車の場合、
チャーター
現地民と乗り合い
の2択があります。
チャーターだと、自分の好きなところで止まって写真を撮って、と自由がきくため、満喫できますが、その分お金がかかります。僕は1人旅ですし、オフシーズンだし、旅人同士で集うこともできず、社会人でもないので、お金もない。。
と無条件で乗り合いタクシーに決まりました。ただ、学生でも3〜4人なら全然出せる値段だと思います。
ゲストハウスのスタッフはランドクルーザーの乗り合いタクシーに乗ることをお勧めしてくれましたが、それは本当にそうだと思います。安全性がケタ違い。
乗り合いタクシー料金は
ドゥシャンベ→ホーログが300ソモニ(400ソモニ)
ホーログ→ムルガブが150ソモニ(200ソモニ)
です。
括弧内の料金は助手席料金です。このぐらいの値段なら、助手席に乗った方が景色を楽しめますので助手席にしましょう。
また、実際に乗ってないので、確かな情報ではありませんが、ホーログ→イシュカシムは乗り合いタクシーで50〜100ソモニだそうです。
もちろん、チャーターの方が楽しめるとは思いますが、乗り合いタクシーでもその70%は少なくとも楽しめるんじゃないかな?と思います。
所要時間は冬場でドゥシャンベ→ホーログが18時間
ホーログ→ムルガブが6.5時間程です。
それぞれ休憩含みます。
結局のところ、全てのスポットを巡ることはできないけれども、それでも冬のパミール高原って行く価値あるんじゃない?という結論です。
こんな幻想的な有り様を見たことはありません。パッと思いつく限り(行ったことはありませんが)ウユニ塩湖ぐらいなんじゃないかな、と思いました。
写真を載せますが、写真では伝わりきらない凄まじいものがありました。