げるしるく

The Introvert Loves Travel

冬の中国・キルギス間の国境越え

かなり辛い国境越え

この記事を書いているのは、およそ国境を越えてから1ヶ月が経ってからで、

 

そのため、記憶が明確ではないところがありますが、メモを頼りに書いていこうかと。

 

 

ネットには、中国からキルギスの国境越えの記事がいくつかみられます。

ですが、どれも夏の記事ばかりです。(当たり前です)

 

従いまして、冬に行った私の国境越えの経験は非常に貴重というわけで、書いていこうと思います。

 

Itinerary

一般的に、中国側でこの国境越えの拠点となるのはカシュガル(喀什)という都市です。

 

ですが、私はウルムチから移動を開始しました。

多くの記事では、カシュガルを9時に出発するバスで国境付近のイミグレまで向かいます。

 

ですが、私は11時ごろにカシュガルを経ちました。

 

大体このような感じです。

 

5:30 起床。ウルムチ空港へ出発

8:00 ウルムチ空港からカシュガル空港へ

10:00 カシュガル空港着

10:30 カシュガルバスターミナル到着

11:00 タクシーチケットを購入し、(ウルグチャット行き)乗合タクシーに乗車①

13:00 イミグレの入り口に到着②

16:00 イミグレが休憩だったので、この時間まで休憩。イミグレの入り口を通過し、荷物検査の建物へ

16:30 イミグレを通過し、キルギスとの国境へ③

18:00 国境を越え、キルギスのイミグレへ(イルケシュタム)到着

18:00 オシュまで行くタクシーを待つ

22:45 オシュのホステルに着く

 

赤字で書かれているところは少々トリッキーな箇所だったので、しっかりとします。

 

何でこんなタイムラインになったか

大体の人が、カシュガルから、わりかし余裕を持って国境越えをします。

しかし、私は上記のように慌ただしい日程になりましたが、それは冬季に新疆ウイグル自治区を旅する難しさによるです。

 

新疆自治区はご存知かもしれませんが、ウイグル人など少数民族が住む地域で、中国政府による弾圧(?)・抑圧がなされています。そのため、外国人が泊まれる宿に限りがあります。

 

外国人が泊まれるのはユースホテルか星5などのグレードの高いホテルです。生憎、冬季は旅行者が少ないためか、ユースホステルは閉まっていました。

期せずして、人生で初めての高級ホテルを経験しました。(ヒルトンや品川プリンスホテルは高級ホテルに入りますか??)

 

貧乏バックパッカーにこの地域は辛い、ということで新疆自治区を1日で出る羽目になったのです。

 

移動費と詳細

さて、移動費ですが、メモをとり忘れていたこともあり、完全なものではないということをご了承ください。ただ、他の方のサイトをみてみると大体自分の記憶と一致してはいるので、ある程度の信頼性はあるのかな、という次第です。

 

ウルムチ市内〜ウルムチ空港

タクシー。60元

 

ウルムチカシュガル

8000円

 

カシュガル空港〜バスターミナル

f:id:gersato:20190223052552j:image

タクシー、60元。多分ぼられています。バスターミナルは鉄道駅の斜め前にあります。ですので、駅に向かってと言い、近づいてきたらバスターミナルを指差してあっちいって!と言えば良いでしょう。

 

ちなみに、stationもbus terminalも通じません。

 

バスターミナル〜ウルグチャット(ウチャ)

f:id:gersato:20190223052517j:image

Itineraryで書いた①の詳細です。

乗合タクシー、29元。窓口でウチャ!といえば伝わります。

ちなみに、おっさんが俺のタクシーに乗れと誘ってきますが、30元追加で要求してきました。不思議に思って窓口のおばちゃんに確認したら、

 

「カスタム(おそらくイミグレのことを指している)に行くために、そのぐらいかかる」とのことで、この人は騙してきそうな顔をしていないな、ということで信じました。

 

実際に、タクシーはウルグチャット中心部で全員を降ろし終わった後、自分をイミグレまで連れて行ってくれました。ただ、30元の価値はないと思われます。

 

f:id:gersato:20190223052634j:image

 

タクシーには漢民族の女の子(可愛い)1人と、ウイグル人が3人ほど乗っていました。ウルグチャットにいくまでに検問を越えなくてはなりませんが、

 

検査を受ける必要があるのは、外国人とウイグル人です。漢民族はスルーされます。

ここの、警察官は、脳みそ詰まってるのか?というぐらい作業が遅いです。

 

国境越えで一番腹が立ったパートです。

 

ウルグチャットイミグレ①

ウルグチャット〜イミグレ入り口、タクシー、30元

Itineraryで書いた②の詳細です。

ここは中国側の出国手続きをする場所ですが、実際の国境からは100km以上離れています。また、荷物検査を受ける建物に入るための荷物検査が行われます。

 

入り口には、窓口の対応時間が書いてあります。冬季と夏季で時間が変わるようです。ゲートを潜ろうとすると、今の時間は休憩だ、と言われます。

 

ただ、休憩は14時ぐらいからだったのですが、まだ、30分以上はあるので、何でだ?と言っても、明確な答えは得られず、ラチがあかないので、休憩が終わるまで待ちました。近くには食堂があるので、そこで時間を潰しましょう。

f:id:gersato:20190223052706j:image

ウルグチャットイミグレ②

タクシー、400元

ゲートが開くと、手荷物検査をする建物に行きます。ゲートの先にはキルギス側国境のある、イルケシュタムまで連れて行ってくれるタクシーがあります。

 

イミグレ入り口から手荷物検査の建物まで、少し距離があり、タクシーはまずそこに行きます。ドライバーによっては、この距離も別に請求するようです。

私は請求されませんでした。

 

手荷物検査場からイルケシュタムは400元かかります。

それは高いな、と思い値下げしてくれ!と駄々をこねたら国境管理官に怒られました。

それは適正価格だと。

 

また、この手荷物検査場では、手荷物検査の他に、旅行の目的などをインタビューされます。手荷物検査にはカメラやスマホ、パソコンのチェックも含まれます。

 

過去に、この検査を拒もうとした、元ミュージシャンの日本人旅行者がいて、管理官にケツを蹴り上げられたそうです。

 

ここを越えたら、あとは楽です。

 

中国国境〜イルケシュタム(キルギス側イミグレーション)

この間に広がる景色はまさに絶景です。こんなに苦労してまで、人がここを訪れる理由はこれか、と納得します。

ただ、残念なことに、写真の撮影は禁止されています。まぁそれでも監視はされていないので、撮る撮らないは個人次第かと思います。

 

道中いくつかの建物を見かけますが、みる限り軍人のキャンプ地です。さすが、国境付近という感じです。

また、建物の側面には、習近平は中国国内の民族の融和の象徴、のような寒々しい文章が書かれています。

 

また、モンゴル帝国はこの広大な大地を駆け巡った人が創ったものか、と思いに浸ると、人間の力にロマンを強く感じます。

 

タクシーが送ってくれるのは、中国側国境までです。

国境とイミグレーションの間には7kmほどの距離があり、また、起伏もあります。

 

真冬の寒く、また足元の悪い中歩くのは無理だな、と思い、トラックをヒッチハイクしました。夏場はぼったくりタクシーがいるようですが、冬場にはそんな人はいません。

 

イルケシュタム〜オシュ

タクシー、20ドルと130元

 

国境を越えて困ったことがありました。タクシーが1つもなかったのです。ただ、イミグレの脇には食堂があり、たむろしているキルギス人がおり、その人がタクシーを呼んでくれました。

 

タクシーの運転手は、足元をみてきた料金をふっかけてきましたが、背に腹は変えられず。。泣く泣く払いました。

 

実際にオシュまで行ってみると、そのぐらいの額の価値はあるのかな?とは思いましたが、やはり、キルギスということを含めて考えると、ぼられています。

 

まとめ

飛行機を除き、ざっと移動費は1元=16円、1ドル=110円として考えて12584円かかりました。

 

このように高くついたのは、旅行者が私しかいなかったことによります。

夏に行けば、旅行者がたくさんいるため、その人数分でシェアすることができます。ですので、高くても半額以下に収められるはずです。

 

また、カシュガルで空港からバスターミナルに市バスなどを使えばもっと安く行けますが、私にとって一刻も早く中国を出ることが第一だったので、そこらへんは目をつぶりました。

ちなみに、この移動は金曜日に行いましたが、国境は土日は閉まります。

 

話はそれますが、この国境越えを通して、民族差別を目の当たりにし、日本人として生まれたことの幸運を強く感じました。日本人はやはり、この世界においてかなり恵まれていると思います。

 

そして、恵まれている人は、その余裕を以って、社会に貢献する義務があるとも考えます。

 

貢献の仕方は人それぞれですが、僕は自分の周りの人を幸せにすることだと思っています。人は人に優しくされた分だけ、他の人に優しく接することができると思います。それを旅の中で感じました。

 

そんな小さいことで世界や社会は変わらないのかもしれないけど、それでも少しでも良くなるなら、常にその気持ちを意識して生活しようと思うばかりです。